ギアレンチ・パワーレンチ・倍力レンチの実態
例えば出力トルク3600Nm近辺の、ギアレンチ・パワーレンチ・倍力レンチのギア比は約15倍。入力軸を15回転させて、やっと出力軸は一回転。
しかも入力にはハンドトルクレンチを使いますが、一回のハンドルの振りは精々30°だから、ギアレンチの出力軸を一回転させるのに、360°x15倍/30°→「180回」の振り。
ナットを二回り締め付けるとして360回の振り。
しかも入力トルクは最大で370Nm程度は要るから、60センチのトルクレンチなら、驚くなかれ!「62kg」。コレ、片手でやれるかい?
均して話半分としても31kgの腕力。これを一本のボルトに360回振るんだ。死にゃしまいが、ヘコタレる!
上はボルトが一本の時の話。たった3本でもありゃ、仕事は三倍だから「31kg腕力x1080回のトルクレンチの振り」。 絶滅するとまでは言わないが、死にそうになるなーーー。
しかも、内部ギアの摩擦もあって、どだい「ボルトの軸力管理」なぞ無理な話さ。これが世のギアレンチ・パワーレンチ・倍力レンチの実態なのを、知っているかい!? 入力をちょっとばかり間違えるとオーバーロードで壊れるしさ。自らがギアレンチのメーカーだから知っている。
こういう時には、「テンションナット」(商標登録済)が一番。ギアレンチ・パワーレンチ・倍力レンチよ、さようなら!
テンションナットは「ナット型ボルトテンショナー」です。軸力も確実。無論価格も安く、第一ギアレンチみたいに機器が消耗しない。
例えばM36を300kN(30トン)の軸力管理するには、入力はたった「70Nm」。「女性でも」大径ボルトを楽々締結可能。ギアレンチ・パワーレンチ・倍力レンチも、更には危険な打撃スパナ・打撃ハンマーも不要とくる。